当サイトは、原一探偵事務所を実際に訪問取材して作っています。
2015年より通算10回の取材の記録です。
原一探偵事務所 探偵業届出番号:埼玉県公安委員会 第43070145号
【原一の大阪支社玄関】
同社に取材の申し込みをして、Yさんという方から承諾の返答があった。
新大阪の支社に近いニューオーサカホテルの最上階の慶招楼という中華料理店を指定された。
若々しい声なのでWebの担当者だろうと思ったが、取材前に本を調べていて同じ名前の上級幹部の写真入り記事を発見した。
「まさか?」と思ったが、その人だった。
どうしてこんな上の人が出てきてくれるのかと恐縮した。
Yさんによると、会社として個人のサイト制作者と関わりすぎないようにと、広告代理店からアドバイスされているという。
しかし今回は、私のサイトを見て特別に取材を受けてみる気になったのだという。
ラッキーというほかない。
Yさんのほかにベテラン探偵のFさんとWさんが来てくれた。
食事もそこそこに下記のような項目について質問しまくった。
【ハライチ探偵F氏 大阪支社にて】
時間が足りなくなり、大阪支社に移動してインタビューを続行した。
この時は主にWさんが回答してくれた。
質問内容は主に尾行・張り込み・撮影の具体的な方法の詳細。
尾行相手がUターンしてきたらどうするのか?
エレベーターに乗られたら尾行者はどうすべきか?
そんな質問も矢継ぎ早に浴びせた。
Wさんはすべて詳細に答えてくれた上、質問をはるかに上回る量の情報を提供してくれた。
「それは企業秘密なので」と回答を断られる場面もあると予想していた。
しかし、逆に「そんなノウハウに属するようなことまで話して大丈夫か?」と思うぐらい情報公開してくれた。
そういうことをネットに書かれても同業者に真似などできるはずがない、という自信があるのだろう。
また、何を聞いても実に詳細に具体的に答えてくれるので、「全部実体験に基づいている、本物だ」と感じた。
最後は撮影機材の写真を撮り、実際の使い方についても教えてもらった。
定点撮影用カメラ | 追尾用ではなく、いたずら調査などに使う固定式のもの |
---|---|
隠し撮りカメラ | 腕時計型、ボールペン型、タバコ型、イヤホン型、スマホとWi-Fi接続できる小型カメラ、眼鏡型、ボタン型 |
取材が終わると辺りは薄暗くなっていた。
別れ際にWさんは、「あなたは刑事か、ジャーナリストみたいだね。」と言ってくれた。
最高の誉め言葉だった。
【腕時計型カメラの使い方を説明するW氏】
まだまだ取材したりないと感じた私は、すぐに本社にも行ってみることにした。
いくつか補足のインタビューをした後、ドローンを見せてもらったりした。
1回目の取材で、新しい機材をどんどん試すと言っていたが、本当なんだなと感じた。
その後、尾行訓練に同行させてもらった。
メディアに公開されているのは知っていたが、実際に体験できるなんて、またしてもラッキーである。
まず、駐車場に移動。
ずらりと並んだ多様な車種・カラーの車が全部うちのだと言われた。
だが、それで全部ではない。
本社周辺に合計4つの駐車場があるのだという。
【原一本社の駐車場】
尾行訓練は次の手順で進んだ。
私は助手席に乗ったり、歩いたりしているだけだが、無線で参加者全員の動きがわかった。
鬼教官が女性の新人探偵を叱責するのも聞こえたが、今日はまだやさしいほうなのだという。
徒歩尾行では自分の一挙手一投足が報告されるのを無線で聞くという面白い体験をした。
【尾行され、写真を撮られた私】
左耳に無線のモニターイヤホンをつけて、周囲を見回している写真まで撮られていた。
だが、顔を知っているにも関わらず、尾行者を発見することができなかった。
まして見知らぬ探偵に秘かに尾行されていたら、絶対に気づかないだろう。
追う側の車に乗ってからは、助手席で車両尾行のテクニックを存分に見せてもらった。
近距離で真後ろについていったらあっという間に発覚する。
それで間に関係のない車を挟んだり、十字路で待ち伏せて交代したり、いろいろカモフラージュのテクニックがある。
碁盤の目のような街では、平行移動も多用される。
感嘆するとともに、自分は絶対できないと思った。
同時にたくさんの事が出来て、とっさの判断を正しく積み重ねて行ける人でないと探偵はムリ。
【車両尾行で追う側を体験】
最後にラブホテル入りを撮影する技術を見せてもらった。
ほとんどの探偵社はラブホテルから出てくるところを狙う。
それが原一の場合は、ラブホテルに入って二人で部屋を選んでいる写真を撮ってきたりする。
どうやって気づかれずに撮っているのか不思議だったが、謎が解けた。
【ラブホテル入りを撮影(尾行訓練)】
この日の最後は、自前の自動車整備工場の見学。
原一本社の敷地内に本社ビルに隣接してある。
本当に驚いた。
しかし、その日の車両尾行での酷使ぶりをを思い出すと、納得もした。
車が100台以上もあると、整備工場を持ってしまった方が安上がりでレスポンスも早くていいかもしれない、と。
【インタビューしたベテラン探偵】
3回目の訪問は地域別の調査事情の違いを聞くのが目的だった。
当初、社内での打診では地域差はあまりないというのが各支社の探偵の回答だった。
しかし、みな自分のやっていることが当たり前で全国共通と思い込んでいるだけではないか?
この時の取材でこの仮説が立証された。
浮気の行動も家出人の行き先も、地域によってかなり差がある。
第一回訪問でお会いした上級幹部のYさんにも、興味深い発見だと評価をいただいた。
詳細については、別のサイトに書いた内容と重複するので割愛する。
3回目の取材で特に興味深かった積雪期の北海道の調査を、現地でより深く知るために、真冬に札幌支社を訪ねた。
精悍な探偵たちが総出で迎えてくれて、感激!
【原一札幌支社のメンバー】
この時はベテランだけでなく、若手の探偵にもインタビューできた。
詳細については、別のサイトに書いた内容と重複するので割愛する。
【札幌市西区のラブホテル街を視察】
その後、夜に西区のラブホテル街を見学に連れていってくれた。
住宅街の中に忽然と現れる秘密の場所。
すすきのには道内最大のラブホテル街があるが、人目に付くのを嫌う地元民はこちらを使うらしい。
こんな体験も探偵社に取材しない限りできない。
今後もさらに取材していきたいと思った夜だった。
5回目の取材では、これまでメディアに出たことのない部署や機材を取材することができた。
聞き込みの専門部隊
まず、第一に聞き込みの専門部隊「特殊調査部」。
【特殊調査部S氏(左)とM氏(右)】
この部門は本当に外部に情報を出したことがないらしい。
原一の聞き込みのやり方は普通の探偵社とは全く違っていて、そもそも相手に聞き込みだと悟らせないとのこと。
最初「そんなことがどうやったらできるのか?」と思ったが、かなり具体的なところまで明かしてもらえた。
ただ、技法を知れば誰でもできるようなものではなく、天性の資質がないと無理である。
家出人探しの専門部隊
もう一つは、家出人探しの「調査部特捜課」。
【特捜課のO次長(左)とS調査員(右))】
原一では、同じ探偵が浮気調査をやったり、人探しをやるのではなく、専門化されている。
マンガ喫茶など、街中でのローラー捜索、そして樹海など自殺の名所の捜索の様子を動画を見ながら説明してもらった。
道なき広大な樹海を探索するには、それなりの装備も必要で、彼らは通称「樹海セット」を携えて活動する。
そんな装備も非常に興味深かった。
最新の調査機材
最後に見せてもらったのは、自社の自動車整備工場で作った最新の機材。
遠隔映像監視車とカメラ内蔵・偽装ピザ配達バイクで、どちらも調査業務の在り方を大きく変えるポテンシャルを持っている。
まだマスコミにもお披露目をしていないとのことで、世界に先駆けて最先端の企業秘密を見せてもらえる光栄に浴した。
取材しても取材しても、そのたびに新しいネタが出てきて、この探偵社の懐の深さを改めて感じた取材だった。
6回目の取材は次の3点がテーマだった。
今回は、初取材の時から仲良くしていただいているW探偵の上司であるA部長にお会いできた。
【調査部のA部長(右)とW次長】
一つ目のテーマは、3回目の取材(2016年5月)の時と同じテーマで、前回よりさらに掘り下げた情報を得ようと試みた。
大きな傾向は前回の取材と同じであることが確認できたが、語り部が代わるとまた違うエピソードが色々聞けた。
2つ目のテーマは、女性の浮気は男性の浮気とどう違うかとか、浮気しやすい妻、浮気されやすい夫の傾向は?といった話。
「妻の浮気調査」をテーマにしたサイトも持っているので、そこに載せる記事のいいネタがたくさん得られた。
3つ目のテーマは、浮気調査・婚前調査以外の素行調査ではどんな依頼があるかという疑問。
いろいろな調査が想定できるが、実際に依頼があるのはほとんどが親族同士の調査で、性か金(遺産など)に関わるものであることがわかった。
探偵とは実に人間の業の深さを思い知らされる稼業である。(笑)
【夫婦探偵T夫妻】
A部長以外にも多くの方にお話を聞けたのだが、その中でもT夫妻は異色の存在だった。
なんと、お二人は夫婦で探偵なのだ。
男女ペアに対してはターゲットの警戒が緩むので、夫婦か恋人同士を装ってチームを組むことはよくあるが、Tさんたちは本物の夫婦で二人とも探偵なのである。
読者の方々にも非常に興味深いと思うので、お二人へのインタビューを本サイトに収録した。(夫婦探偵の記事はコチラ)
昼から始まった取材は7時間ほど続き、その後、飲みに連れていっていただいた。
探偵さんたちはみな、本当にお酒が強い。
【K部長(左)とMチーフプランナー】
翌6日は、新宿支社を訪ねてK部長とMチーフプランナーにお話を伺った。
テーマは前日と同様。
素行調査に関して、おもしろい情報が得られた。
今回は、広告宣伝部門のスタッフも参加していただけて、取材は和気あいあいと進んだ。
仕事ではあるのだが、かなり楽しんでやれる取材先であると毎回思う。
【新宿支社で和やかに取材】
第7回目の取材は、午前中から昼すぎまで尾行体験を組んでいただいた。
無線で追尾する探偵のやり取りを聞きながら、追われて撮られる側を体験し、尾行の実際を理解するプログラム。
2015年の6月、第2回目の取材の時に初めて経験したが、あの時は車両尾行がメインだった。
今回は新宿のホテルから埼玉県の川越駅まで鉄道メインの徒歩尾行。
しかも東京から大宮は新幹線を使って、新幹線対応の尾行も学ぶ贅沢な内容だった。
【尾行体験中に撮られた1枚】
本社に戻る途中の路上では、自転車で移動する相手の追尾方法についてもレクチャーを受けた。
これについては探偵が書いた本でも触れているものが皆無で、貴重な情報である。
【探偵への取材風景】
本社に戻ってからは、今作成中の浮気調査に関するサイトのコンテンツ用に、さまざまなテーマで夕方遅くまで取材した。
探偵社を取材し始めて5年目。
もうだいたいのことは分かったつもりでいたが、今回また新たな発見があった。
飽きずに定期的に取材していくことの大切さを痛感した回でもあった。
第8回の取材は、日本橋拠点を訪ねた。
【原一日本橋拠点(外観)】
お客様が相談に来られるということで、取材は近くの会議室を借りて行った。
今回のテーマは次のような内容。
保有する監視装置、盗聴器発見装置のすごいラインアップも公開してもらえた。
今回のもう一つの大きな収穫は、現場の探偵以外のスタッフへのインタビュー。
長年、原一の探偵たちを率いてきたA調査部長。
さらに相談部S次長、チーフプランナーMさん、チーフプランナーUさんなど、調査の前段階のセクションの人たちに初めて話を聞けた。
【原一日本橋拠点(フロント)】
この時はコロナ前後での変化について、ZOOMを使ったビデオ会議で自宅から取材した。
原一さんの対応で変わったのは、お客様の要望に応じて近所まで出向いて相談に乗るようになった点。
従来は必ず相談者にオフィスに来ていただく方式だった。
感染への懸念や勤務先の命令で外出できない人が増えたため、柔軟に対応するようにしたとのこと。
市場の動向としては、感染拡大中は全種類の調査が、相談も受注も大幅に減少したそうだが、想像にたがわない。
そんな中で浮気調査では、合流後どこにも寄らずにホテルに直行するケースが増えているらしい。
また、同社は2020年6月にホームページと料金システムをリニューアルしている。
これは昨年から準備してきたもので、コロナへの対応ではないが、偶然コロナの流行とタイミングが一致した。
このリニューアルについても取材した。
ホームページは長年の追記の蓄積で内容が雑多になっていたものを、ページごとにテーマを整理してすっきりさせている。
料金システムは算定方式を変更したものの、追加料金なしで安心というコンセプトは変わらない。
また、簡易な予備調査を低料金で請け負う「トライアル」サービスを始めたのが新しい点。
浮気調査であれば、法的に有効な証拠取りまではできないが、異性と会っているか確認する程度。
今は苦しい時期だが、いろいろ手は打っているようなので、コロナ終息後に期待したいと思った。
私としては、ビデオ会議での取材を初めて経験できたのが収穫。
コロナがなければ、試さなかったはず。
尾行体験のような実際に現場に行かないとできない取材以外は、これで結構やれるなという手ごたえを得た。
「禍福は糾える縄の如し」とか「転んでもただでは起きない」という言葉があるが、苦難も受け止める心次第で新たな境地につながる。
久々にリアルで原一の方とお会いすることになった。場所は翡翠宮という中華料理店。
実は創業社長の大原一泰氏はコロナ期間中に亡くなっている。
ただし、死因はコロナ肺炎ではなく、がん。
その後、奥様の晶子氏が社長を継がれ、娘さんの千晶さんも役員になられた。
コロナ終息後に向けて、一度直接会って今後の連携を確認しようという趣旨で会うことになった。
場所は新宿のハイアットリージェンシーホテル内の中華料理店「翡翠宮」。
原一側からは晶子社長、千晶氏、菊池部長の3名が来られた。
まず、ムダなコストカットを大胆に進める一方、キャッシュは十分確保しており、コロナがさらに長引いても耐えられる体力は温存しているとのこと。
当然ながら会社を去った幹部もいて、その者たちに関する話もした。
今後に向けての動き方について色々な話をし、その中で私は納得感と安心を得た。
私だけでなく、関係者に広く、その感覚を得てもらうことが、原一さんの早い回復につながるはず。
それで、社内社外に向けて今後の経営方針に関する明確なメッセージを発信するよう提言させていただいた。
千晶氏には特に期待感を抱いた。
まだ20代だが、堂々として、話が的を得ている。
以前は弁護士事務所で働いていたが、4年ほど前に入社し、先代と行動を共にすることも多かったとのこと。
コロナ終息後、大きく変貌した世界でこの会社も完全に新しい時代を迎えるだろうが、その推進力になれる人だと感じた。
秋以降にまた訪問取材し、このサイトを大幅にリニューアルするのが楽しみになった。