取材に基づき、業界大手・原一探偵事務所の社内体制を紹介していく連載記事です。
今回のテーマは地域共生。
2021年の暮れ、原一探偵事務所が本社のある川越市と災害応援協定を締結したというニュースが発表されました。
探偵社と地方自治体の連携は極めて異例です。
このニュースをメインに原一さんの地域共生の姿勢についてまとめてみました。
原一探偵事務所 探偵業届出番号:埼玉県公安委員会 第43070145号
ニューズウィーク日本版オフィシャルサイトの記事と、私が取材を通じて得ている原一さんの情報を併せて状況を説明すると次のようになります。
2021年12月22日、原一探偵事務所(R)を運営する株式会社原一(本社:埼玉県川越市、代表取締役:大原 晶子)と、川越市(埼玉県川越市、市長:川合 善明)は、12月22日、探偵業における経験を活用した災害連携を行うことに合意し、災害時応援協定を締結しました。
具体的な応援内容
川越市側の事情
川越市には1922年に市制が施行された翌年に関東大震災に遭い、多大な被害を被った歴史があります。
近年の我が国における自然災害の多様化・甚大化も踏まえて、これまでも防災体制の強化には取り組んできました。
しかし、令和4年(2022年)に市制100周年を迎えるに当たり、より一層の専門的強化を図りたいという想いがありました。
原一探偵事務所側の事情
まもなく創業48年を迎える同社は、これまでの社業の中で様々な資源を蓄積してきましたが、視点を変えればその多くは災害時に有用なものです。
これらを活用すれば、避難場所の情報連携や二次災害の危険性情報の共有も容易になります。
持てる資源を非常時には地元住民に快く貸し出して力になりたい。
そういう活動を通じて、探偵業のグレーなイメージの改善も実現していきたい。
同社は2020年のホームページ改定で「ココロによりそう探偵社」というコンセプトをまとめましたが、その延長線上にこうした想いがありました。
両者のニーズが結びつき、今回の協定が実現しました。
とはいえ、世間一般には「怪しい」イメージさえある探偵社が他業種や、まして地方自治体と協定を結ぶのは極めて異例です。
探偵社側が求めてもイメージの悪化を恐れて二の足を踏まれる場合もあるでしょう。
このニュースを見ると原一さんは地元で信用があるんだな、ということを実感します。
しかし、原一さんの地域共生の理念は本社所在地に限ったものではなく、各事業所に地域事業先任者を設けて、地域に根差した活動を行っているそうです。
そしてその想いが「協定」という形で初めて実現したということです。
こうした試みは業界では非常に先駆的な物だと思います。
これがアフターコロナの社会で他社にどのような影響を与えていくのか、注視していきたいと思います。
将来は、業界で生き残っていくには社会的認知が非常に重要である時代が来るのかもいしれません。
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