【調査用バイク(本社ビル前にて)】
業界随一の充実ぶりを誇るハライチの調査装備を紹介するコーナー。
今回はバイク。
機動性に富むバイクは、都市部での車両尾行チームに欠かせない存在です。
バイクの使い方について、原一探偵事務所の調査部長に取材してきました。
さらに原一さんが保有するバイクのラインアップの一部の写真も提供してもらえたので紹介します。
原一探偵事務所 探偵業届出番号:埼玉県公安委員会 第43070145号
【調査部長A氏】
業種の特性上、セキュリティへの配慮から、名前はイニシャル、顔はモザイク加工とさせていただいています。
私: 車両尾行においてバイクは極めて有効だと聞いています。本日はその使い方を伺いたいと思います。
A部長: バイクは機動性が高く、車では物理的に追えない場所でも追尾できます。
バイクをチームに加えておくと、失尾(見失う、尾行断念など)のリスクを大幅に下げられます。
私: バイクを加えるかどうかの判断基準は何ですか?
A部長: 基本的には、バイクは全案件で投入するのが本来は望ましいんです。
ただ、費用対効果の面でそれは無理なので、優先順位の高い案件で残して低い案件で間引くという感じです。
私: バイクの必要性が高いのはどんな現場ですか?
A部長: 次のような場合ですね。
・・・といった場合ですね。
場所的には、渋滞、細い路地への進入、様々な施設への出入り、公共交通機関との乗換えといったことが多発する都市部での調査で威力を発揮します。
郊外~田舎ではバイクはさほど有用ではありません。
ただ、そういう場所からのスタートでも、行き先が都市部という情報があればバイクを加えておくべきです。
私: 車両尾行におけるバイクの使い方を教えてください。
A部長: まず、基本のチーム編成は車2台+バイク1台です。
相手の警戒度が高いなどの条件によって、さらに車を加える場合もあります。
車で正常に追尾できる間は車が主役で、バイクは車の後ろに隠れて極力見られないようにします。
渋滞等で引き離された時にバイクが前に出て見失わないように追い、車を誘導します。
車が正常な追尾に復帰できたら、バイクは再び車の後ろに隠れる・・・と、こういう使い方をします。
私: 自転車の追尾にも使われることがあると聞きました。
A部長: 自転車の追尾には、基本的に自転車を使用します。
ただし、ロードバイクタイプの場合、高速すぎて、交代で運転しても調査員の体力が続かない場合があるんですね(笑)。
そういう場合はバイクが支援します。
この用途に向いているのは、スクータータイプのバイクです。
私: バイクで張り込む場合はありますか?
A部長: バイクの方が周囲に溶け込むなら使う場合がありますよ。
例えば駐輪場で待機する場合なんかです。
また対象が会社から出てきたところで尾行スタートの場合、会社周辺に多い宅配便になりすまして張込むこともあります。
ニセのユニフォームを着用してね。
私: チームメイトとの通信はどのようにしているのでしょうか?
A部長: バイクは両手が塞がり、電話が使えません。
しかし、無線はバイクにもついていて、フリーハンドで使えるので、チームメイトが無線の届く範囲にいる場合は、これは障害になりません。
【無線マイク付きのヘルメット】
しかし、無線だけでは不足の可能性がある状況の場合、バイクが起点になって尾行を始めるのは、ガラケーの時代は難しかったんです。
今は信号待ちの時間などにチャットアプリなどで通信できるので、この欠点も克服されました。
例えば電車を降りたターゲットの尾行を開始する時、移動手段はタクシー、バス、愛人の車、徒歩など、いろいろなケースが考えられます。
バイクならどれにも対応しやすく、最適なんです。
通信技術の発達がバイクの応用場面を広げ、調査の成功率を高めているといえます。
【スマホとカーナビを装着したバイク】
私: バイクはどの探偵も乗りこなすのでしょうか?
A部長: いや、今はバイク調査員は専任になっています。
志望する人は多いが、ほとんどが脱落してしまう狭き門です。
原一さんが調査に使用しているバイクを公開してくれました。
400cc、250ccの中型オンロードスポーツタイプが主力です。
このほか、大型750ccやスクーター、偽装ピザバイクなどもあります。
取り回しの不便なアメリカンタイプ(チョッパー)はありません。
以前はオフロードタイプもあったが、使い道がなかったので今は保有していないそうです。
また、125ccは高速に乗れないため、調査現場に自力で行けないので、使わないそうです。
【GSR400 400㏄ ネイキットタイプ】
バイクや車両などオールマイティーに対応が出来ます。
広範囲に行動する対象者などにも適しています。
【NinjaEX400E 400㏄ スポーツタイプ】
バイクや車両などオールマイティーに対応が出来、広範囲に行動する対象者にも向いています。
【MT-25 250㏄ ネイキットタイプ】
自転車、バイク、車両まで対応できます。
都内や行動範囲が狭い対象者に使用します。
【スカイウェーブ 250㏄ ビックスクータータイプ】
自転車やスクータなどの追尾に適したバイクです。
都内や行動範囲が狭い対象者に使用します。
【GSX-R750 750㏄ レーシングタイプ】
スピードを出す対象車や外車などスピードが出る車両などを追尾する事が出来ます。
調査で乗りこなすには高い調査技術と運転技術が必要です。
【ジャイロキャノピー 50㏄ 三輪スクーターピザ屋タイプ】
宅配ピザのバイクに偽装しているバイク。
荷台にカメラを仕込んで、住宅街やオフィス街などでの短時間での映像撮影、張込みなどに使用します。
新しくてきれいな車は怪しまれにくいので、原一さんではボロい車は使わず、こまめに洗車しているそうです。
バイクも同様に、どれも新しくてピカピカなのがわかります。
バイクが活躍するのは主に浮気調査です。この記事を読むとバイクの使われ方が理解できます。
多数の車両とバイクを保有する原一探偵事務所は、整備コストを下げるために自前の自動車工場を保有しています。
これは日本中の大手探偵社を探しても、たぶんハライチだけなのではないかと思います。
本社ビルに隣接するこの施設の取材記事です。
この記事を読んでいる人の中にはバイク調査員になりたいと考えている人も多いと思います。
バイクが好きで運転技術にも自信があって、憧れのある探偵業界でその技術を生かしていきていけないか?
しかし、バイク調査員になるにはバイクの腕以前に大事なことがあるのを知っていますか?
そこが抜けていると、いくら上手くてもいくら速くても意味がないのです。
ちょうどレーサーからバイク調査員への転身に成功した方のインタビューを収録しています。
役に立つと思うので、ぜひ読んでみてください。